この記事では、SHISHAMOさんの「君と夏フェス」(作詞・作曲:宮崎朝子)を度数表記に変換したコード譜を作成し、その弾き方について解説していきます。
度数表記を使うことで、様々なコードを簡単に押さえることができるようになり、色々な曲をギターで演奏することが可能になります。また、音楽理論を学ぶことで、よく使われるコード進行なども理解できるようになり、ギターの演奏をさらに楽しめるようになりますよ。
「君と夏フェス」コード譜
それでは、以下に「君と夏フェス」のコード譜を通常表記と度数表記で載せます。実際に演奏しながら、度数表記でコードを捉える練習をしてみて下さい。
今回の曲のKey:E、Key:Fのダイアトニックコード一覧を以下に示します。コード譜(通常表記)とコード譜(度数表記)でどのようにコードが対応しているか、こちらを見るとわかります。
Ⅰ | Ⅱm | Ⅲm | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅶm-5 |
E | F#m | G#m | A | B | C#m | D#m-5 |
Ⅰ | Ⅱm | Ⅲm | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅶm-5 |
F | Gm | Am | B♭ | C | Dm | Em-5 |
コード譜の見方のポイント
・”|”は「1小節の区切り」を表しています
コード譜(通常表記)
[Key:E]
[イントロ]
A B | G#m C#m | A B | G#m C#m
A B | G#m C#m | F#m | B
[Aメロ]
E | G# | C#m | C D
E | G# | C#m | C D
E | G# | C#m | F#
A | G#m C#m | F# | B A#
[Bメロ]
A | Am | G#m | C#
A | Am | G#m | C#
A | Am | G#m | C#
F# | F# | A | B C
[Key:F]
[サビ] ※ここからKey:Fに転調
F | A | Dm | Cm F
B♭ | B♭m | Gm | C G#
F | A | Dm | Cm F
Bb A | Dm | Gm | C
[アウトロ]
B♭ C | Am Dm | B♭ C | Am Dm
B♭ C | Am Dm | Gm | C
コード譜(度数表記)
[Key:E]
[イントロ]
Ⅳ Ⅴ | Ⅲm Ⅵm | Ⅳ Ⅴ | Ⅲm Ⅵm
Ⅳ Ⅴ | Ⅲm Ⅵm | Ⅱm | Ⅴ
[Aメロ]
Ⅰ | Ⅲ | Ⅵm | ♭Ⅵ ♭Ⅶ
Ⅰ | Ⅲ | Ⅵm | ♭Ⅵ ♭Ⅶ
Ⅰ | Ⅲ | Ⅵm | Ⅱ
Ⅳ | Ⅲm Ⅵm | Ⅱ | Ⅴ ♭Ⅴ
[Bメロ]
Ⅳ | Ⅳm | Ⅲm | Ⅵ
Ⅳ | Ⅳm | Ⅲm | Ⅵ
Ⅳ | Ⅳm | Ⅲm | Ⅵ
Ⅱ | Ⅱ | Ⅳ | Ⅴ ♭Ⅵ
[Key:F]
[サビ] ※ここからKey:Fに転調
Ⅰ | Ⅲ | Ⅵm | Ⅴm |
Ⅳ | Ⅳm | Ⅱ | Ⅴ ♭Ⅲ
Ⅰ | Ⅲ | Ⅵm | Ⅴm |
Ⅳ Ⅲ | Ⅵm | Ⅱm | Ⅴ
[アウトロ]
Ⅳ Ⅴ | Ⅲm Ⅵm | Ⅳ Ⅴ | Ⅲm Ⅵm
Ⅳ Ⅴ | Ⅲm Ⅵm | Ⅱm | Ⅴ
指板上の度数の位置関係
今回の曲は、サビ前がKey:E、サビからKey:Fとなるので、指板上の度数の位置関係は次のようになります。そのため、Key:E、Key:Fの時でそれぞれ押さえる位置が変わるため注意してください。
指板上の度数の位置を見て、弾きたいコードの番号にコードを押さえる指を合わせて下さい。
コードの押さえ方
この曲で使うコードはメジャーコード、マイナーコードの2種類です。
6弦をルートとするパターンと5弦をルートとするパターンで2種類ずつ押さえ方が存在するので、実際は4種類の押さえ方を解説します。
メジャーコード、マイナーコードそれぞれの押さえ方は以下になります。赤丸はルートの位置を示しており、弾きたいコードの番号に合わせて、該当する指を合わせてください。
このように、度数を利用したコードの押さえ方をすることによって、音名が異なっていても、同じ種類のコードであれば同じ押さえ方で弾くことができます。
①メジャーコード
1つ目のコードはメジャーコードです。三和音の基本的なコードで、構成音は「完全1度(P1)、長3度(M3)、完全5度(P5)」の3つです。
②マイナーコード
2つ目のコードはマイナーコードです。こちらもメジャーコード同様に三和音の基本的なコードで、構成音は「完全1度(P1)、短3度(m3)、完全5度(P5)」の3つです。
メジャーコードと比べると、3度の音が「長3度(M3)→短3度(m3)」へと変化しています。メジャーコードとマイナーコードの構成音の違いはこれだけです。
構成音を把握して各コードの違いを意識することで、押さえ方を理解したり覚えたりすることが格段にやり易くなりますよ。
「そもそも何を言っているかよくわからない・・」という方へ
この記事を読んで、「内容が理解できないな…」と感じている方もいるかもしれません。そんな方は、コード進行を度数やディグリー表記で理解する方法について基本的な内容を説明していますので、まずは以下の記事を参照してみてください。
もし、内容が分かりづらかったり、ギター用語が難しく感じたりする場合は、少し解説のアプローチを変えることでより伝わりやすくなるかもしれません。
お手数ですが、もし具体的な部分で理解が難しいと感じた場合は、その部分を教えていただけるとより具体的な説明ができると思います。お気軽にコメント等でご質問ください。
ワンポイント
サビ部分でキーがEからFに転調する場合、通常のコード譜ではすべてのコードがガラッと変わってしまっているように感じられます。しかし、度数表記を用いると、使用するコードの形は同じで、サビ前と比べて半音高くなっているだけであることが分かります。(ギターのフレットで言えば、高い方に1フレット分ずれていることに相当します)
このように度数表記でコード進行を捉えると、曲やコードの解析が可能になります。特に転調部分では、キーが変わったことを直感的に理解することができます。
これはとても便利であり、音楽的な理解を深めることにも繋がります。ギターの技術向上にもつながるので、ぜひ度数表記を使って曲やコード進行の解析に挑戦してみてください!
まとめ
今回は、SHISHAMOさんの「君と夏フェス」を度数表記に変換したコード譜を作成し、その弾き方について解説しました。
コード名で見ると、「次のコードはどうやって押さえる?」ということを考える必要がありますが、度数表記でコード進行を理解することができれば、あまり難しいことは考えずに同じ押さえ方でフレットをずらして弾くことができるためとても便利です。
このことを理解することで、沢山の曲を気軽によりスムーズに弾くことができます。また、「何度のコードだ」というところがわかってくると音感向上にもつながるので、今後の耳コピなどにも役立ちメリットばかりの考え方ですよ!
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえばとても便利で、より快適なギターライフを楽しむことができるので是非、度数表記でのコードの弾き方を理解してみてください〜。
それでは!また~。
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