ギターを弾いていて、こんな悩みに直面したことはありませんか。
メロディの単音ならなんとか耳コピできるけれど、和音(コード)になった途端に何が鳴っているのかさっぱり分からない。メジャーかマイナーかくらいの判別はつくけれど、セブンスやサスフォーが混ざるとお手上げ。理論書でコードの構成音は覚えたけれど、実際の音と結びつかない。
これらの悩みは、才能の欠如ではなく、単に脳がコードの響きのカラーを整理できていないだけです。そこで開発したのが、新ツール、コード耳トレ:響き当てクイズです。
このツールは、ブラウザ上で手軽にコードの響きを当てるクイズができるトレーニングツールです。今回は、このツールの活用法から、耳コピ能力を飛躍的に高めるためのコード判別メソッドまでを徹底的に解説します。
コード耳トレ:響き当てクイズの概要
本ツールは、10問1セットの形式でランダムに出題されるコードを聴き、その種類を当てるクイズゲームです。単に音を鳴らすだけでなく、ギタリストが練習しやすいように細かなカスタマイズ機能を搭載しています。
ツール基本仕様表
自作したツールの基本仕様は以下はこちらです。
| 項目 | 内容 |
| ツール名 | コード耳トレ:響き当てクイズ |
| 目的 | 和音の響き(コード・クオリティ)の聞き分け能力向上 |
| 出題形式 | 10問1セットの選択式クイズ |
| 対応コード | Major, minor, Major 7, minor 7, Dominant 7, sus4, dim |
| 再生モード | コード(同時)、アルペジオ(順次) |
| 選択可能音色 | Clean Guitar, Acoustic-ish, E. Piano, Organ, 8-bit |
| 保存機能 | ハイスコアの自動記録(localStorage) |
なぜ耳コピには度数感覚と和音感覚が必要なのか
耳コピを効率化するためには、2つの感覚をセットで鍛える必要があります。
一つは、先日公開したインターバルクイズで養う、音と音の距離を感じ取る「単音の感覚」です。そしてもう一つが、今回のツールで鍛える「和音のカラー」を感じ取る感覚です。
例えば、ある曲のサビのコードがC MajorなのかC Major 7なのか。これは単に音を拾うだけでなく、そのコードが持つ明るさの中に切なさ(メジャーセブンスの響き)が含まれているか、というカラーの判別ができるようになると、探る手間が劇的に減ります。
本ツールの革新的な機能:アルペジオ再生
このツールの最大のこだわりは、アルペジオボタンを搭載したことです。耳コピに慣れていない段階では、3つや4つの音が同時に鳴ると、個別の音が濁って聞こえてしまうことがあります。
アルペジオモードを使えば、構成音を低い順からバラバラに聴くことができます。
ルート(根音)に対して、3度がどれくらいの高さにあるか。7度の音がルートに対してどれほど不協和な響きを作っているか。
これらを一つずつ確認することで、脳内の音の解像度が上がっていきます。
各コードの響きを言語化する:判別のヒント
クイズを解く際、音を物理的な振動としてだけでなく、感情や景色として捉えると覚えやすくなります。以下に、主要なコードの響きの特徴をまとめました。
| コード名 | 印象・キーワード | 構成音の度数関係 |
| Major | 明るい、快晴、安定、ポジティブ | R, M3, P5 |
| minor | 暗い、雨、悲しい、孤独 | R, m3, P5 |
| Major 7 | お洒落、都会的、夕暮れ、甘酸っぱい | R, M3, P5, M7 |
| minor 7 | 哀愁、少し大人、落ち着いた悲しみ | R, m3, P5, m7 |
| Dom 7 | ブルージー、不安定、次に進みたくなる | R, M3, P5, m7 |
| sus4 | 吊り上げられた、緊張感、未完成 | R, P4, P5 |
| dim | 恐怖、不気味、パニック、強い緊張 | R, m3, dim5 |
効率的なトレーニング・ステップ
いきなり全てのコードを対象にすると、正解率が上がらずに挫折してしまいます。設定パネルのチェックボックスを活用して、段階的にレベルを上げましょう。
- ステップ1:メジャーとマイナーの完全判別
まずはMajorとminorの2種類だけに絞ります。ギターにおける最も基本的な色の違いです。10問全問正解が当たり前になるまで繰り返しましょう。
- ステップ2:セブンスの響きを追加
Major 7, minor 7, 7thの3つを追加します。特にMajor 7と7th(ドミナントセブンス)の違いを聞き分けるのがポイントです。Major 7は透き通った響き、7thは少し濁った、ロックやブルースの響きがします。
- ステップ3:特殊な響き(sus4, dim)への挑戦
全てのチェックを入れて、総合問題に挑みます。sus4(サスフォー)は、3度の音が4度に置き換わっているため、明るくも暗くもない独特の浮遊感があります。これを一瞬で見抜けるようになれば、耳コピ上級者の仲間入りです。
音色(Tone)の切り替えが重要な理由
本ツールでは、クリーンギターからピアノ、8bit音源まで音色を切り替えられます。
これは単なるお遊び機能ではありません。楽器によって、含まれる倍音が異なります。ギターでは聞き分けやすくても、ピアノだと急に分からなくなるというのはよくある話です。
様々な音色でクイズを解くことで、特定の楽器に依存しない「真の和音感覚」が身につきます。特に8bit音源(スクエア波)は音が非常に明確なため、理論的な構成音を確認するのに適しています。
関連ツールと組み合わせた最強の練習ロードマップ
当ブログの「練習支援ツール」カテゴリでは、今回のコード耳トレ以外にも、あなたのギターライフをサポートするツールを多数公開しています。これらを連結して使うことで、練習の効果は倍増します。
以下のツール一覧から、今の自分に必要なものを選んでみてください。
練習・耳トレ系ツール
指板度数当てゲーム:指板上のインターバル配置をゲームで暗記します。
相対音感 インターバルクイズ:2音間の距離を聴き取る力を鍛えます。

BPM成長記録ツール:日々の練習テンポをグラフ化してモチベーションを維持します。

万能メトロノーム:シンプルかつ軽量。日々の基礎トレに欠かせません。
Jam Track Player:指定したキーでアドリブ練習。耳トレの成果を実践で試せます。

Simple Drum Machine:メトロノーム代わりにドラムを鳴らしてリズム感を強化します。

YouTube Looper:耳コピの際、特定の区間をループさせて徹底的に分析します。

理論・ユーティリティ系ツール
ギタースケール表示ツール:指板上のスケールポジションを可視化します。
コード度数変換ツール:コード進行を度数に変換して楽曲分析をサポートします。

逆引きコード検索:指板の形からコード名を特定。創作活動に便利です。

カポ・移調計算ツール:転調やカポの使用を一瞬で計算します。

ライブ運営支援ツール
Live Setlist Manager:ライブの曲順と演奏時間を管理する進行表作成ツールです。

7. まとめ:耳コピは「知識」と「慣れ」の掛け算
コード耳トレ:響き当てクイズを毎日1セット(10問)解くだけでも、1ヶ月後には驚くほどコードに対する反応が変わっているはずです。耳コピは決して魔法ではありません。
まずは響きのカラーを覚え、それを度数という理論で裏付けし、実際の曲で確認する。このサイクルを回すための出発点として、本ツールを活用してください。
指板の上で自由に和音を操り、聴こえてきた音を瞬時に再現できる楽しさを、ぜひ一人でも多くのギタリストに味わってほしいと願っています。
おわりに
今回ご紹介したツールは、すべて無料でブラウザ上で利用でき、インストールも不要です。ブックマークして、練習の合間や移動中の隙間時間にポチポチと遊んでみてください。
これからも、たくさんギタリストたちに有用なツールを開発・公開していきたいと思っていますので、よろしくお願いします!
あなたのギター練習が、よりクリエイティブで実りあるものになりますように。
ツールへの要望や、使ってみた感想があれば、ぜひ各記事のコメント欄やSNSで教えてください。皆様の声が、次のツール開発のヒントになります。





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